金属プレス加工技能検定の協力事業所である東京都金属プレス工業会は、8月21日から28日まで神奈川県伊勢原市にある*職業訓練法人アマダスクールにて、金属プレス加工技能検定・実技試験を実施中です。
金属プレス加工技能検定は、金属板をプレス機械で加工する技術を評価する国家試験です。自動車部品や家電製品など、精密な金属加工が求められる製造業において、技能の証明として高く評価されています。この検定は、厚生労働省が定める技能検定制度の一環として実施されており、都道府県の職業能力開発協会が運営を担っています。
検定には、特級・1級・2級の3つの等級があり、それぞれの技能レベルに応じた内容が設定されています。特級は管理者・監督者向け、1級は熟練技能者向け、2級は中堅技能者向けで、受験には一定の実務経験が必要です。一般的に、1級は7年以上、2級は2年以上の経験が目安とされています。
試験は実技と学科に分かれており、実技では金属板の切断や絞り加工など、実際の作業を通じて技能が評価されます。1級では八角形、2級では丸型の絞り加工が課題となり、制限時間内に正確かつ安全に作業を行う必要があります。
学科試験では、金属材料の特性、加工方法、安全衛生などの知識が問われ、真偽法や四肢択一形式で出題されます。
合格には、実技試験で60点以上、学科試験で65点以上の得点が必要です。合格率は年度によって異なりますが、1級で約50%、2級で約45%とされており、十分な準備が求められます。
この資格を取得することで、技術力の客観的な証明となり、企業によっては昇進や昇給の条件となる場合もあります。現場での信頼性が高まり、より高度な業務を任される機会も増えるでしょう。金属プレス加工は、同一形状の製品を大量生産する際に欠かせない技術であり、製造業の根幹を支える重要な分野です。
*職業訓練法人アマダスクールは、1978年に日本で初めての金属加工機械専門の職業訓練法人として発足しました。以来、「シートメタル(板金)加工の技術革新に対応した新しいモノづくり」を目指し、技能教育と人材育成において重要な役割を果たしています。

