関東地方では2025年の秋以降、雨がほとんど降らない状態が続いています。関東南部の東京都心では1月の降水量が数ミリにとどまり、千葉県でも平年比2%という極めて低い値を記録しました。気象庁は今回の状況について「30年に一度程度の顕著な少雨」と評価しており、乾燥と水不足が広い範囲で進行しています。少雨傾向は関東にとどまらず、西日本の太平洋側にも広がっています。
2025年11月から2026年2月初旬までの降水量は、東京都心で平年比24%、関東北部の宇都宮でも32%と、いずれも平年の3割前後にとどまっています。とくに1月は東京、横浜、千葉など多くの地点で降水量が一桁ミリにとどまり、千葉では1.5ミリという“ほぼ無降水”の状態が続きました。冬季にこれほど雨が降らないのは、観測史上でも極めてまれです。
今回の特徴は、太平洋側の少雨と日本海側の大雪が同時に進んでいる点にあります。日本海側では記録的な大雪が観測されている一方、太平洋側では極端な乾燥が続き、湖沼やダムの水位が大きく低下しています。地域によってまったく異なる気象現象が同時に進行していることが、今回の少雨の異常性を際立たせています。2025年の冬は冬型の気圧配置が長期間続いたことで、太平洋側に雨雲が入りにくい状態が続きました。
また、2025年の秋は台風の接近が少なく、秋雨前線も弱かったため、例年なら秋に期待されるまとまった雨がほとんど降りませんでした。さらに、気候変動の影響で降水が「豪雨」と「無降雨」に二極化しやすくなっていることも、今回の少雨を後押ししたとみられています。
こうした要因が重なったことで、太平洋側では降水量が大幅に減少し、水源の水位低下が各地で深刻化しています。群馬県の八ッ場ダムでは貯水率の低下が続き、利根川水系の水供給に影響が及ぶ懸念が高まっています。神奈川県の津久井湖では30年ぶりに湖底が露出し、高知県の大渡ダムでは運用開始以来初めて貯水率が0%に達しました。
こうした状況が続くと、山火事の発生リスクの高まりや農作物への影響、渇水による生活・産業への支障など、さまざまな自然災害につながるおそれがあります。気象庁や自治体は引き続き注意を呼びかけており、住民にも節水や火の取り扱いへの警戒が求められています。今回の少雨は、水資源がいかに気象条件に左右されやすいかを改めて示す結果となりました。


