ソフトバンク、NEC、ソニーグループ、ホンダの4社は、国産の大規模AIモデルを共同で開発する新会社を設立しました。生成AIの活用が急速に広がる中、日本では基盤モデルの多くを海外企業に依存する状況が続いており、技術主権の確保や産業競争力の維持が課題となっています。
国家機密や産業データが海外サーバーで処理されるリスクも指摘され、政府は国産AIの開発支援を強化する方針を示しています。こうした環境を踏まえ、官民が連携して国内で基盤技術を育てる体制づくりが本格化した形です。
参画企業や事業内容は明らかになっているものの、新会社の社名は現時点で公表されていません。社名や所在地、代表者などの詳細は、今後の正式発表を待つ状況です。
出資企業には中核4社に加え、日本製鉄、神戸製鋼所、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などが出資企業として参加しています。通信、製造、金融、エレクトロニクスといった幅広い産業が参画し、産業横断の開発体制が整いつつあります。AI研究で知られるプリファードネットワークス(PFN)も技術協力する見通しで、国内の技術基盤を強化する狙いがあります。
新会社は、日本語に強く産業用途に適した大規模モデルの開発を進め、企業や行政が安心して利用できる国内AI基盤の整備を目指します。製造、金融、モビリティ、エンターテインメントなど多様な分野で活用できる産業横断型インフラの構築を掲げており、開発したモデルは出資企業に限定せず、国内企業全体に提供する方針です。中小企業を含む幅広い産業でAI活用が進むことが期待されています。
研究開発の中心には、一兆パラメーター級の基盤モデル構築が据えられています。ソフトバンクは大規模計算基盤を提供し、NECは日本語特化技術を活かしたモデル開発を担います。ホンダは自動運転やロボティクスなどフィジカルAI領域での応用を見据え、ソニーグループはセンサー技術やエッジAIの活用を進めます。各社が強みを持ち寄ることで、デジタル領域にとどまらず、物理世界を扱う産業でも高度なAI活用が可能になると見込まれています。
国産AIの開発は、産業競争力の維持やデータ主権の確保、技術人材の育成において重要性が高まっています。海外企業のモデルに依存するだけでは、データ管理や技術蓄積の面で限界があるとの指摘もあります。
今回の新会社設立は、日本がAI時代における主体性を取り戻すための一歩と位置づけられます。今後は、政府の支援策や企業間の協力体制がどこまで整うかが、国産AIの発展を左右することになりそうです。

