2025年9月10日(水)、東京都および東京都中小企業団体中央会による委託事業「デジタル技術を活用した販売力強化プロジェクト」の一環として、第2回「DX&ビジネスゲーム研修」が開催されました。場所は本会会員企業の武州工業株式会社(東京都青梅市、林 英徳社長)。
今回の研修では、株式会社DX経営研究所 代表取締役でありITコーディネータでもある中尾克代氏が開発・推進するDXビジネスゲーム研修が実施されました。このビジネスゲームは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の本質を体感的に理解し、実務に落とし込むことを目的とした革新的なプログラムです。単なるIT導入や業務効率化にとどまらず、企業価値の再定義、顧客体験の再設計、組織文化の変革といった、DXの本質的なテーマに迫る内容がゲーム形式で展開される点が大きな特徴です。
研修のベースには、1960年代にマサチューセッツ工科大学(MIT)のスローン経営大学院で考案された「ビールゲーム(The Beer Game)」があり、サプライチェーン・マネジメント(SCM)とシステム思考を体験的に学ぶためのシミュレーション型ビジネスゲームとして、現在でも世界中の企業研修や教育機関で活用されています。
今回の研修では、架空の工場を題材に、参加者が営業、製造・開発、物流・在庫管理、購買の各部門に分かれて役割を担いました。需要予測を共有しながら、全体最適の視点でバランスの取れた中長期の投資判断ができるかどうかが、ゲームの成否を左右する重要なポイントとなります。参加者はそれぞれの立場で意思決定を行い、市場環境や社内課題、顧客ニーズなどの情報を分析したうえで、企業全体の最適化を目指すシミュレーションが進行しました。
経営視点と現場感覚の両方を駆使しながら、DX推進に必要な判断力と戦略的思考を養うことができる構成となっています。この研修の最大の魅力は、「座学では得られない気づき」と「実務に直結する行動変容」です。ゲームを通じて部署や役職を超えた対話が生まれ、組織内の認識ギャップが可視化されました。
中尾氏のビジネスゲーム研修は、DXを単なる流行語としてではなく、「自社にとって意味ある変革」として捉えるための実践的なツールです。戦略的思考と複雑な情報の統合力を持つ参加者にとっては、単なる研修を超え、組織変革の起点となる可能性を秘めています。
ビジネスゲーム終了後、参加者からは「たいへん参考になった。これからの仕事に大いに活かせる」といった声のほか、「単なるデジタル技術の導入ではなく、企業風土改革の重要性を理解できた」との意見も聞かれました。また、「社員教育に活かせるDX活動の必要性を強く意識することができた」といった感想も寄せられ、研修の実践的な効果がうかがえました。
次回の「DX&ビジネスゲーム研修」は、2025年10月9日(木)13時30分より、金属プレス会館(東京・両国)にて開催予定です。ご関心のある方は、ぜひご参加ください。











