
ベトナム特派員 ヴ― ヴァン クエット
2025年1月15日、ベトナム政府の原子力発電所開設司令官部の会議において、パン・ミン・チン首相は各関係機関に対し、毎年の進捗状況を報告することを指示し、2030年までにNinh Thuan原子力発電所を完成させるべきであると強調した。これは、ベトナム共産党の100周年記念に合わせた計画の一環である。
首相は、「明確な計画を立て、仕事と責任を明確に分担し、工事を進めながら改善するべきである」と述べ、ベトナム政府および共産党の方針として、国内総生産力(GDP)の向上には原子力発電所の開設が重要な役割を果たすと強調した。また、新しい時代において、ベトナムは先進的な科学技術を持つべきであり、平和利用を目的とした原子力技術(原子力発電・原子力医学)の発展が不可欠であるとも述べた。

ベトナムの総発電量は2024年には85,000メガワットであったが、2030年には150,000メガワットが必要とされ、2050年には400,000~500,000メガワットが必要と見込まれている。このため、原子力発電所の開設は、ベトナムの発電形式を多様化し、国内の安定的な発電と安全を確保するために重要である。
Ninh Thuan原子力発電所の開設計画には、2,400人の高度な人材が必要とされており、日本やロシアに対して人材育成、技術シェア、財政支援の要請が行われている。この発電所はNinh Thuan省のThuan Nam地区Phuoc Dinh村とNinh Hai地区Vinh Hai市の2か所に配置される予定である。
首相は、Ninh Thuan省の交通インフラ、電気、水道、文化、教育、体育施設などの準備を急ぎ、原子力発電所の建設に携わるエンジニアや工事現場の人材が安定して働ける環境を整えるべきであると強調した。
パン・ミン・チン首相の発表により、ベトナム政府は原子力発電所の早期完成を目指して動き出した。この計画は、国内のエネルギー安全保障を確保し、経済成長を支えるために不可欠である。ベトナムは、2030年の共産党100周年に向けて、持続可能なエネルギー供給を実現するための重要な一歩を踏み出している。
