プレス機械受注が234.6億円に達し、業績改善が進展

2026年9月の工作機械受注は 前年同期比+60.4% と大幅に増加し、総額は 2,232億円 に達した。統計開始以来の過去最高である。この数字は市場全体の回復を示すものだが、その背景にはプレス機械の受注増が大きく寄与している。

とくに234.6億円を記録した5月は前年の約2.8倍に相当し、大型プレスは約10倍、超大型プレスは4倍に達した。

北米向けでは大型プレスが4.4倍、超大型プレスが3.6倍と高い伸びを示した。自動車産業の設備更新が好影響をもたらし、EVシフトの進捗にばらつきが生じた結果、既存のハイブリッド車や大型車の生産ラインを再構築する動きが広がった。既存設備の延命ではなく、新規ラインの導入を選択する企業が増えたことが、大型プレスの受注増につながった。

インド向けでは、生産拠点戦略の見直しや電力供給の安定化が進み、大型設備需要が拡大した結果、受注は17.3倍となった。

中国では、新規設備の導入が進み、中国向け受注が1.8倍 となった。国内需要の減速が続くものの、欧州向けEVの輸出が増加した。輸出向け車体生産の増加により、外板成形用の大型プレスの稼働率が高まり、既存設備の能力不足が顕在化した。

プレス加工業にとって大型プレスの導入が進めば、周辺装置、金型、治具、搬送装置などの需要が増える。とくに大型プレスは周辺設備の仕様が厳しく、金型の大型化・高精度化が不可避であるため、輸出向け部品の引き合いも増加し、北米・中国・インド向けの案件が拡大することが予想される。

2026年の製造業の動向を把握するうえでは、地域別の需要の発生状況、生産ラインの更新動向、産業別の投資状況が受注にどのように反映されているかを、各種統計や企業の投資計画から確認することが重要である。

出典:日本鍛圧機械工業会「鍛圧機械 全会員受注動向」